くまかんれんNPO会計シート

NPO法人向けのExcelによる会計シート試作 

私たちが使っているNPO法人用の会計シートを公開します。

一般に使ってもらうには、まだまだ改良の余地がありますので、ご意見を頂くことを条件に当分の間無料で配布いたします。

NPO法人だけでなく、一般社団法人でも使えるのではないかと思います。


ダウンロード
Jr:小規模で費用科目も少ない法人向き
◆関数なし記載例くまかんれんNPO会計シートJr.xlsx
Microsoft Excel 254.3 KB

記入例が入っていますので、イメージをつかんでください。関数が入力されていません。事務局にメールで請求してください。

ダウンロード
Pro:中規模程度の法人で収益事業にも対応
◆マクロ関数なし記載例くまかんれんNPO会計シートPro.xls
Microsoft Excel 751.0 KB

記入例が入っていますので、イメージをつかんでください。マクロや一部関数が入力されていません。事務局にメールで請求してください。



特徴

 「決算書を作成するのに苦労している。特に活動計算書の注記の事業費の内訳の作成が面倒だ」また、「リアルタイムで会計の状態を把握したい。」というNPO法人のためのエクセル会計シートです。特に会計担当者は入力しながら現預金残高を常に見ることできるので、入力ミスや計算間違いの不安から解放されます。

 「くまかんれんNPO会計シートJr」「くまかんれんNPO会計シートPro」の2種類があります。前者は、小規模なNPO法人で費用科目も少なく収益事業を行っていない法人に向いています。後者は、中規模程度の事業規模で収益事業を行っている法人にも対応しています。両方の会計シートとも実際のNPO法人で5年以上の使っているものです。

 

(1)Microsoft社のExcelのファイルです。

(2)シートが7枚あり、NPO法人の所轄官庁に報告する様式に従った決算書に印刷できます。

(3)各シートは関数で繋がっています。所定の個所に入力すると他のシートに反映されます。

 

 特徴は次のとおりです。

(1)活動計算書及び注記、貸借対照表、財産目録を自動作成します。監督官庁へ提出する書類は入力終了すれば印刷するだけです。

(2)複式簿記ですが、高度な会計の知識は不要です。会計担当者が変わってもスムーズに継続できます。

(3)現預金残高が常に仕訳帳に表示されているので照合が容易です。記帳漏れや間違いを防ぎ不明瞭不正確な会計を排除できます。

(4)記帳だけで、決算書、月別収支表、予算進捗が自動で計算されますので、事務が楽になります。

(5)活動計算書注記の事業別の支出も日々の記帳により自動的に計算されます。

(5)汎用性の高いMicrosoft社のExcel上で動作するフリーのソフトですのでExcelをお持ちであれば費用が掛かりません。

 

「くまかんれんNPO会計シートPro」は、さらに次のことが出来ます。

(1)会費入力は、マクロで入力できますので、ミスが少なく短時間で記帳できます。納付未納付を一覧で見ることができます。

(2)共通経費(家賃・光熱費・人件費など)は、勘定科目ごとに部門間の案分ができます。

(3)収益事業決算を作成できます。共通経費・管理費も収益事業割合で自動で案分します。

(4)マクロを用い使いやすい操作になっています。

(5)資金管理が難しいNOP法人のために予算進捗表と月別科目収支一覧表で見える化されています。

(6)Excelの関数とマクロは公開していますので、各法人は自由に改造できます。

 

カスタマイズは当連合会で有償で受けることができます。

小規模NPO法人向け会計シート

1.シートの概要
2.準備(カスタマイズ)
3.仕訳帳シート
4.勘定科目シート
5.活動計算書、貸借対照表、財産目録シート
6.活動計算書注記シート
7.元帳シート

NPO法人向け会計シートPro

Proに追加のシート、機能アップシート

 

8.仕訳シートPro

9.勘定科目シートPro

10.部門シート(収益事業部門含む)

11.会費入収納ート

12.予算進捗シート


1.シートの概要

Ecelを開くと、下部にいくつかのシートのタブがあります。
日々の入力は主に最も左のシート「仕訳帳」です。Proの部門計算シートの案分表を手入力する以外は仕訳帳の入力だけで自動で計算されますので、所轄官庁へ提出する決算書がそのまま出力されます。

※表の画像はクリックすると拡大します。以下同じ

2.準備(カスタマイズ)

各法人の会計に合わせる準備が必要です。法人の直近の決算書を準備して下さい。

<勘定科目>

「勘定科目」タブを開き、各法人の決算書から必要な科目に書き換えてください。コード番号の桁数は少なくても問題ありません。借方、貸方によって計算結果が変わるので、正確にに入力します。

 また、昨年度決算書の繰越額を科目ごとに入力します。

 この会計シートは、NPO法人が監督官庁への提出する書類の一つ「活動計算書注記」で定款上の事業活動ごとに費用を計算する”部門別計算”に対応させています。同じ勘定科目でも事業ごとに”仕訳科目”を設けています。例えば、同じ通信費でも”セミナー事業”と”広報事業”では異なるコードを割り振っています。これによって、注記には事業部門ごとの費用が割り振られます。

 仕訳帳の実際の入力の時はこのページは印刷して、コード番号を見ながら入力します。

大分類以下の項目は、所轄官庁へ提出する決算書に従っています。 

 ブルーの部分が事業別の各費用科目で「事業」+「事業名」+「科目」の仕訳科目名を付けています。矢印の右の欄が「科目」ごとに集計したもので、活動計算書に用います。

 登録が終了したら、シートの保護を掛けておきます。

<仕訳帳>

法人名、会計の始期終期を書き換え入力します。決算書等に反映されます。

3.仕訳帳シート

 繰越金として日付、コードを入力すると、科目は自動的に表示されます。金額を記帳します。金額を入力すると、右肩上の現金、預金の残高が更新されます。現実の現金、通帳の残高と照合してください。

 照合できないのは、借方、貸方を間違っている場合があります。

4.勘定科目シート

 勘定科目シートには、仕訳帳で入力されたものが各科目ごとに関数により集計されます。

 勘定科目で手入力は繰越金だけです。その他は自動計算されます。決算書はこのシートの計算結果を参照して作成されます。この勘定科目シートと決算書の集計結果が異なる場合は、決算書の科目に欠落がないか確認します。照合すべき箇所を記載していますので、点検します。

 一年間入力した例が次のとおりです。 

5.活動計算書、貸借対照表、財産目録シート

 各シートの各科目の左側のセルの番号は、勘定科目のコード番号です。勘定科目のコード番号を入力すると科目が表示されます。記入例を見ながら必要なコード番号を入力します。ただし、「活動計算書注記」のためにコードは細分化されていますので、決算書用には本来の費用科目ごとに集計したものが、勘定科目シートの別欄に記載されているので、こちらを入力します。

 活動計算書の入力例です。

6.活動計算書注記シート

 「注記計算書」の作成がNPO法人会計で一番面倒な作業です。

 この小規模NPO法人向け会計シートでは、事業別費用を仕訳科目とすることで解決しました。日々入力すれば、自動的に事業別に仕分けされた「注記計算書」が出来ます。

 Proは、事業名入力と部門計算シートの案分表で事業別の計算をしますので自動的に「注記計算書」が出来ますが、案分表での計算は小数点以下を四捨五入しますので、縦横の計算が見かけ上違います。合計は合っています。手作業で科目事業別の数値を手直しが必要です。

 上記の「活動計算書」と同じ内容の例です。

7.元帳シート

 「元帳」ではコード番号を入力し、仕訳科目別に入力されたデータを検索する事ができます。

借方B4に科目名を入力または値を貼り付け、カーソルを下欄におき、Excelの「データ」「詳細設定」の操作を行うことによって検索できます。

 Proは、マクロボタンで行います。繰越金を含む残高が表示されます。

8.仕訳シートPro

仕訳シートに事業部門と収益の2つのフィールドが追加されています。基本的に事業名で費用が振り分けられますので、活動計算書注記の事業別費用が自動で計算されます。ここが、この計算シートの最大の特徴です。また、収益事業である費用については収益のフィールドで収益事業の損益を計算します。入力はリストからの選択で行います。リストの書き換えは自身の法人の定款上の事業名を入力してください。

9.勘定科目シートPro

Jrと異なり、このシートは単純に収入、支出の科目を入力します。科目間の集計はありません。

10.部門計算シート(収益事業部門含む)

 仕訳シートで入力されたものが、一旦勘定科目シートに集計されますが、決算書や収益事業決算を作成する中核の計算をこの部門計算シートが担っています。共通部門按分表以外は自動で計算されます。

 このシートは、多くの計算ブロックがあります。左は段階的な計算結果を示しており、計算結果に疑義があるときに遡ることができるようになっています。

 ほとんどは自動的に関数で計算しますが、手入力する大事な表がAD列から始まる共通部門案分表です。管理費と事業費を按分しさらに事業ごとに按分します。例えば、共通経費となる地代家賃、水道光熱費だけではなく会議費、印刷費などの一部を按分することが出来ます。

 AM列から始まるNPO法人部門別表が決算書へ転記されます。ただし、小数点以下が四捨五入されているので、決算書は表記されている数字の集計で1円の誤差が生じることが多々あります。提出決算書は微調整してください。

 AV列より右は、収益部門の計算と結果です。ここでは収益事業単独の費用以外の費用を収入の収益比で按分した計算方法を取っています。従って、収益事業費用は初めから仕訳段階で収益事業としておく事が大事です。

 各ブロックの印刷は[Ctrl]+のマクロコマンドで実行すると左端の科目名を取り込んだ表で印刷されます。


11.会費収納シート

 振込や現金などで納付された会費を入力します。会員名は会員名簿からコピーします。入力欄で会員名がプルダウンで表示されるので選択して入力します。会費はあくまで入力された金額ですので、手入力としております。この欄で入力のマクロボタンにより、会費納付の日付と金額が会員名の右に入力され、仕訳シートに仕訳データが入力されます。入金記帳と会費管理を一度に行います。

 分割納付やダブり納付には対応しておりませんので、手作業になります。

12.予算進捗シート

 NPO法人は会費が一時期に納入されるので、支出管理が重要です。予算に対する実績が各科目ごとに消化率計算されますので、資金繰りが可視化されます。この表はコンパクトに資金繰りを掴むことを目的としていますので科目は管理費と事業費の合算です。

 また、科目ごとの支出を月別一覧表でみることができますので、支出見通しや計上漏れなどの発見に有用です。